母銭と子銭
寛永通宝などの昔の貨幣は鋳造という方法で大量生産する為、元の型となる母銭と実際に流通する子銭があります。
今回はそんな母銭と子銭の見分け方を3つご紹介致します!
現在流通している硬貨は江戸時代と違い技術が発達したこともありプレスの加工技術が発達したこともあり現在はプレス加工で硬貨を制作しています。
プレス技術が発達していなかった明治時代以前は「鋳造」(ちゅうぞう)とゆう技術を使って硬貨を作っていました。
鋳造とは、金属や木で元になる型を作って砂などに押し付けて「鋳型」(いがた)を作ります、その型をとった鋳型に溶けた金属を流しこみ固めて金属を好きな形に加工が出来る金属加工法です。
原型となる木型や金型に細かな細工などを施す事により繊細な模様を作り出す事ができます。
さらに元になる型を使って複数の鋳型を作れば同じ形の「鋳物」(いもの)が一度に大量に作ることも可能になります。
昔は日用品の鉄鍋や鉄瓶などに鋳造の技術が使われていましたが、プレスや旋盤、溶接の技術が上がっている為現在では鋳造で作られている物が昔に比べて減ってきています。
現在ではお寺にある梵鐘やマンホール、工具などは今でも鋳造で作られています。
「母銭」とは鋳造における金型の事を母銭と言い、母銭で作った鋳型から作られた硬貨のことを「子銭」と言います。
母銭はあくまで子銭を作るための金型なので製造した数も少なく、もちろん市場で取引に使用されることはありませんでした。
子銭は実際に使用される硬貨なので「通用銭」とも呼ばれています。一般的には子銭よりも通用銭と呼ばれる事が多いです。
ここからは本題に戻って母銭と子銭の見分け方について紹介したいと思います。
・素材の違い
母銭はまず手彫りで「彫母銭」を作ります。その彫母銭から「錫母銭」を作ります、さらに錫母銭を使って「銅母銭」を作りその銅母銭を型にして子銭は作られて行きます。
子銭を作るための鋳型は材料を流し込んだ後、壊して中身を取り出す必要があるため、鋳型を作るための母銭は繰り返し何度も使う事になります。
そのため丈夫で劣化の起きにくい金属で作る必要があります。
同じ銅でできた母銭と子銭でも使われている銅の質は違うものになり、母銭に使う銅は質の高い銅を使い、子銭に使う銅は質の悪い銅が使われているのが特徴になっています。
また、1765年以降の子銭は銅ではなく鉄で作られているものが多く、ひと目で違いが解ります。
・大きさ
金属は熱い状態から冷えて行く時に収縮する特性があるので子銭は母銭に比べて「至輪径」や「文字」が小さくなっているのが子銭の特徴です。
直径で測ろうとしても成形する時にヤスリがけをするのでムラがあるため鑑定する場合にはあてになりません。
・仕上がり
母銭自体はベースとなる金型なので文字や模様も彫りがくっきりとしていて見た目にも繊細な作りをしています。
しかし子銭の方は文字や模様、穴の形などがくっきりと出ておらず、全体的にぼやけた仕上がりになっています。
鋳物は固まった後、充分に冷えたら型を壊して中身を取り出してヤスリなどを使って仕上げて行くのですが子銭は大量生産しているので作業が雑になっている物も多く中心の穴の部分すらバリが取れていない物もあります。
原型となる母銭は文字、模様、縁などがシャープで彫がくっきりとしており、立体的で繊細な仕上がりとなっています。
サイズの違いは実際に実物と並べてみないとわかりづらい違いではありますが、素材の違いや細かい仕上がりの違いは非常に見分けやすい特徴が出ます。
当時の貨幣の製造は数多くの場所で作られていたため同じ硬貨でも仕上がりにばらつきがあり、パっと見で母銭と子銭が区別できる物もあれば、見比べないとわからないようなしっかりと仕上げがされている質の良い子銭もあります。
母銭は一般に流通されている物ではないため希少性も高く、付加価値が高くなりますが、子銭は実際に流通していた貨幣ですので希少価値はやや低くなります。
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